3、「至 と到」の転注的関係
「伝」は「至と到」の二字のみを「~にイタル」の義に使っている。「至」字は「~にイタル」という義を持つ字として「到」字を転注字として建てたのである。これが「建類一首」語に相当している。「同意相受」とは「至」字が持つ義は「到」字が持たず、「到」字の持つ義を「至」字は持たないという意である。「至」字が持つ義とは、高いところを飛ぶ鳥が木の枝を伝わり段々に降りてくることである。やがて地に降りることが極まる意となっている。その際、決して地に向かう方向を違えない。
「到」字の持つ義は以上の「至」字の内容以外のすべてのことである。
4、「伝」に載る「到」字を検証する。
「伝」に「~にイタル」の意に使われている「到」字は下記の4か所のみである。その他は全て「至」字が使われている。

  1. ①從郡至倭、循海岸水行、歴韓國乍南乍東、到其北岸狗邪韓國七千餘里
  2. ②東南陸行五百里到伊都國
  3. ③其八年太守王頎到官
  4. ④難升米牛利還到録受忝可以示

①の「到狗邪韓國」の「到」字は郡より倭に至る間の狗邪韓國が行程の端緒国である故に用いられた可能性がある。又「狗邪韓國」への到着が最終目的地への方向と違えた為に使用された可能性もある。つまり脇道を示す為かもしれない。どちらか?
この答えは簡単である。もし、「狗邪韓国」への方向が最終目的地への経過コースに違えていなければ「狗邪韓国」が端緒国であっても「至」字を使用しなくてはならない。随って「狗邪韓国」への方向が脇道であることは定かである。
②の「到伊都國」の「到」字は「伝」に載る末廬國を起点とするバイパスであることを明らかにしている。このことは同時に本源的ルートも末廬國を経由していることを端的に示している。
③の「其八年太守王頎到官」の句に使用された「到」字は太守王頎が帯方郡を最終的赴任地にしていないことを告げている。つまり王頎はすぐ官を辞することが分かる。

④の「難升米牛利還到録受忝可以示」の句の「到」字は「還り到らば」という意味だからまだ至っていないので「到」字が起用されている。

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